今朝、ニュースを見ていたら湯田温泉の有名旅館の社長が取材に答えていました。
VTRの中で、この度のゴールデンウィークは早くから予約をされていたお客さんのみで営業したとのことです。
見ている人は賛否両論はあるでしょうが、同業者として思ったのは「苦渋の選択だっだ」ということです。
もしかしたら「そんなちょっとばかりの売上目的で営業し、クラスターでも起こったらどうするんだ!」という方がいてもおかしくありません。
しかしながら、あの規模でごく少数のお客さんのみの営業ということは、同業だからわかるのですが「かなりの赤字」だったはずです。
さて、我々観光産業にお客さんが戻ってくるのはいつの日でしょうか?
そして最近多く聞かれるようになったアフターコロナといわれる終息後には、どのような世界があるのでしょうか?

1.アフターコロナでも徐々にお客さんの数は戻ってきます。
というか、戻ってきて欲しいというのが本音です。
確かにインフルエンザのようなワクチンが世に出回るまでは、今回の新型コロナはなかなか手ごわいウィルスなので旅行や県を越えての移動をするには、まだまだ時間がかかりそうです。
そして今回の新型コロナは、我々観光産業や経済にも大打撃を与えただけではありません。
それは自粛や制限の続いたこの一ヶ月半で、多くの人々の心はかなり「すさんできている」と予測します。
この部分を解消してくれるのは、医者でもなく薬でもなく、温泉であり旅であると考えます。

2.旅の楽しさ、思い出が人々を旅にいざなう
旅情と言う言葉があります。
旅行が旅+行動なら、旅情は旅+感情です。
そして感動と言う言葉があるように人は感じるから動くのです。
美味しいものを食べたい、温泉に入りたいのなら、今ならウーバーイーツや「温泉の元」などの入浴剤で充分でしょう。
人は旅先で得られる感情、そして人との出会いと言った非日常を求めてお金と時間を使うのです。

3.再び観光に人が戻ってくる理由(マクドナルドの事例)
外食産業のビック・ブランドである日本マクドナルドを例に挙げさせて頂きます。

過去10年の間、数回のトラブルがありました。
・使用していた中国産の鶏肉が使用期限切れ
・チキンナゲットに異物混入
・針が混入、男性がケガ
日本全国で3,000店舗を越える規模であれば、様々な問題は起こり、ニュースや報道でマクドナルド側に非がなくてもあるあような報道で客足はかなり落ち込んだと聞きました。
ではその後、人々はマクドナルドに行かなくなったでしょうか?
答えはNOです。
変わらず賑わってました。
何故なら、マクドナルドの味、サービス、雰囲気など人は忘れてないからです。
同じように、人は旅先での食、ちょっと方言が混じった親切な対応、自然が手に取るように感じられる新緑の中のロケーションなど、人は誰しも旅の思い出は記憶の中にあるものです。
私の知り合いのある人が言ってました「旅は心の栄養」だと。
例えば、家の中に閉じこもり、食べるモノも宅配のピザや寿司などが中心であれば、栄養不足や栄養過多で健康に不調をきたします。
旅は心の栄養
今回の新型コロナで心身ともにすり減った状態から回復させてくれるのは、音楽であり、観劇であり、水族館や動物園などです。
今回、不要不急と呼ばれたものは、実は心に栄養を与える大事なシーンを演出している、世の中に必要なものなのです。
