今週の一冊「松陰読本」 山口県教育委員会

しばらくお休みしてました「今週の一冊」

改めて、本を読むことの大切さと山口県を代表する歴史上の偉人でもあり、明治維新の礎を築かれた吉田松陰先生に関する本です。

小学生の高学年向けに書かれており、わかりやすく読みやすく幕末の時代を駆け抜け国を想い散った、わずか30年の一生が書かれてます。

1.学ぶことを知る父の教え~幼少期

杉家の次男として生まれた松陰先生は、父親が畑仕事をする間、本を与えられます。

そして覚えている一文を父親が声高らかに 唱えると、兄がそれに続き、さらに続こうとしますが、なかなかできなかったそうです。

そして父親が2人の息子に言います
「もっと大きな声で! お前たちは男であろう、男はどんな時でも元気を無くしてはならぬのだ」と

こうして2人の兄弟は、よく意味のわからない「論語」や「孟子」などを口真似をしながら覚えていきます。

その後、兵学を学び、11歳の時に藩主である毛利敬親(もうりたかちか)の前で講義を行うまでになります。

2.学ぶ姿勢は変わらず、そしてペリー来航

兵学を学んだ後、九州を中心に遊学し国防の大切さを感じ取ります。

そんな折にペリーが浦賀に黒船で来航し、日本に開国を迫り、その答えを求め、その一年後に今度は下田へ来航します。

ここで日本は、日米和親条約を結び開国へと進むわけですが、松陰先生は 世界に対して日本の遅れを憂い、なんとかペリーとの接触を試みますがうまくいきません。

当時、その行為は 鎖国状態であった日本にとって許されることではありません。

そして生まれ育った萩の地に送還され投獄されます。

この時、齢25歳

3.野山獄で囚われの身となる

萩に帰るなり、投獄生活が始まります。
つまり、 牢屋に入られれた訳です。

この絶望的な中、 今まで学んできた学問と命をかけ国の為続けてきた行動が活かされます。

普通なら、悪事をしての投獄ならまだしも、国の為にやってきた行為に対し、国賊扱いとなり普通ならば自暴自棄になるはずです。

しかし歴史に名を残す人は言っている言葉が違います。

松陰先生曰く「獄では行動は自由にできないが、心は自由である。本を読んだり、ものを考えるには最も良い場所だ」

この間に、地理や歴史、医学や兵学、そして伝記や政治の本を読まれます。

獄中生活は、1年2ヶ月にも及びますが、その間に読んだ本の数は620冊
一ヶ月にすれば40冊を読んでいたことになります。

4.松陰先生の読書術

ただ読んで知識を得るだけでなく、大事なところは書き出し、さらに自分の考えをも加えていました。

そして読書について、このようなことも言われてます


「書物を読むことは、昔の立派な人に会い、いろんな教えを受けられる。そしてその教えを今の世に生かしていくことが大切だ」

読んだだけで満足せず、時流にそって知識を生かす、その為の行動があってこそその価値があるということだと思います。

5.獄中で変化が起きる

普通なら、過ちを犯してないのに牢獄に入れられたら、もしあなたならどうでしょうか?

私の好きな映画でデンゼル・ワシントン主演の「ザ・ハリケーン」という黒人ボクサーが無実の罪で投獄され身の潔白をはらすため、事実を立証するため生き抜きそして最後に裁判で勝利を勝ち取るというストーリーの映画のシーンとだぶりました。

松陰先生が投獄されていた野山獄の囚人は、希望を失い心がひがみ、毎日愚痴ばっかりいっていたそうです。

しかし先生が毎日、熱心に本を読んだり書き物をする姿を見て、その偉さを感じ獄中の人が誰かれともなく「何か話をし教えて下さい」と一番年下であった松陰先生に懇願してきたそうです。

そこで松陰先生は、 孟子の教えから 、人の生きる意味やその大切さ、人として守らなければならない道徳など説き、 たとえ獄中にいても良心を失わず、明るく生きていけば幸せであるということを伝えていきます。

さらに、囚人たちと話し合って、習字の上手い人は教える立場となり皆に字を教え、また同じように俳句が得意なものは俳句を教えるようになり、松陰先生自身も皆と一緒に学ぶうちに獄の雰囲気も明るくなっていったそうです。

さらに変化は続きます
このような変化に牢役人も驚き、自らも講義を聞くようになり、こんな立派な方をいつまでも牢獄に入れていてはいけないという声があちこちからあがり、はれて野山獄から出る日が来る訳です。

6.松下村塾の再興

明治維新の志士達が巣立った松下村塾は本人が興したわけでなく、13歳の頃、厳しかった叔父の玉木文之進が学びの場として使っていたものです。

その場を再び学びの場として 再興し、武士であろうが農民であろうが身分がどうあれ自身の教えを説いていきます。

その人にあった教えるスタイルをとっていき、真心をもって物事にあたっていくことを伝えていきます。

【松下村塾での教え】

○真心を込めてやれば、できないことはない。どんな人でも真心を込めて話し合えばきっとわかってくれる。

○何事をするにも、しっかりとした志を立てることが大事である。

○学問をはじめたら、やり終わるまでに強い心を持って頑張り抜かねばならない

このような教えのもと、明治維新の立役者が数多く輩出された訳です。

そんな中、 今にして思えば、当時の松陰先生は既に自身の死を感じ取っていたのかもしれません。

親しい僧侶に下記のような手紙を送ってます


「たとえわが身が幽囚となり、首を切られても、必ず自分の志を継ぐ者を後世に残す決意である」

「この私の誠は、いつか必ずわかってもらえると信じている。誠を尽くして、それを感じない者はいないのです」と

まさに目頭が熱くなる、そして爪に火を点す思いが感じられます。
命をかけた講義が当時の松下村塾では行われてたはずです。

7.再び野山獄へ、そして江戸に

当時、反幕派をきびしく取り締まる江戸幕府の老中を倒そうと藩に申し出ます。

しかし、 幕府を怖れる役人から松陰の学問は人の心を惑わすという理由で、再び野山獄へ投獄されます。

さらにその後、江戸へ送られます。

江戸へ送られるということは、幕府の元で裁きを受けるということです。

このことが松陰先生には、どのようなことかは察しがつきました。
つまり、死を意味することです。

死を悟っても本人は冷静でした。
「正しい考えを貫き、国の為なら死んでも良い。少しも怖れぬことはない」と言っています。

そしてかの有名な言葉に繋がります。

「至誠にして動かざるは、未だこれにあらざるなり」
(人は真心をもってすれば、どんなものでも心が動かないことはない)

「今こそこの言葉の真を問える」と言葉を残し江戸へ送られます

8.吉田松陰の最期

江戸へ送られ、裁きを受け、あること無いことの罪をきせられ死の宣告を受けます。

至誠にして動かざるは、未だこれにあらざるなりと強い想いで江戸に入るものの、その時代において松陰先生は30歳の若さでこの世を去らねばならなくなります。

そして人を恨まず、自分の学問が及ばなかったことを悔い、このような言葉を残されてます。

「自分の学問の修養が浅い為、至誠がその力をあらわすことがず、幕府の役人の考えを変えることができなかった」と

さらに2つの名言をも残されてます

「親思う心にまさる親心、今日の音づれ何と聞くらん」
大切におもう萩の両親、自分が思う以上に私(松陰)を大事に思ってくれる親の気持ち、死の宣告を受けたこの事実を何とおもうだろうか

「身はたとい武蔵の野辺に朽ちぬとも、留め置かまし大和魂」
たとえ自分の命は無くなっても、この国を思う気持ちはいつまでも残るであろう

30歳の若さで刑場の露と消えた短すぎる人生


死の直前に際しても、凛として国を想い親を慕う気持ちを内に秘め、まさに明鏡止水の境地で臨まれた様子が想像できます。

松陰先生の首を切った 役の浅右衛門が後々に伝えた言葉です


「これまで多くの武士を手にかけてきたが、これほど最後の立派な人は見たことがない」と

至誠をもって一生を貫き通した歴史の上でも永遠に語り継がれるべき人物です。

もっと深くこれから、吉田松陰先生を学んで行きます。



今週の一冊「人蕩し術」  無能唱元

今週の一冊、感銘を受けた書籍は無能唱元(むのうしょうげん)氏の書かれた人蕩し術(ひとたらしじゅつ)です。

この人蕩(たら)しには、蕩(くず)湯をイメージして頂ければわかりますが、人を蕩(とろ)けさす、つまり魅力で魅了する為の術、人を引き付ける為の極意が400ページ近くに渡って書かれてあります。

それなりの値段のする本ですが、値段にあった価値は充分にある書籍でした。

1.魅(み)は、与(よ)によって生じ、求(ぐ)によって滅す

著者によれば、これが極意であり、この極意の為には5つの本能的衝動があり、この5つを与えることで人を魅了できるということでした。

①飢えへの怖れからくる「生存本能」

②孤独を怖れ、人と交わる集団でいたい「群居衝動」

③自分は劣っているという怖れに関わる「自己重要感」

④もてないことへの怖れからくる「性欲」

⑤知らないことへの怖れからくる「好奇心」

つまり、これらの5つの本能的衝動を相手に与えることによって、魅力は発揮されます。
しかしながら、これら5つを相手に求めると、自分自身の魅力は無くなると説いています。

また、①の生存本能を満たすために食料や金銭を与えることで、その見返りが魅力となる場合がありますが、②~⑤までは、すべて無形のものとなります。

本の後半で述べてますが、①~③までは、相手に与え、④~⑤は与えると逆に滅すとも書かれてます。

つまり男性ならわかりますが、例えば女性の胸元などが見えるか見えないかが引き付けるのであり、全部見せてしまえばそれで興味が終わりということです。

⑤の好奇心もしかり、知ってしまえばそれで終わってしまうので、相手を惹きつけ続けることも、また大事と書かれてました。

2.自己重要感を高めるには

まず、自己重要感が低い場合は、その根底には劣等感があります。

もっと言えば、自分が劣っているとは認めたくないので、常に人より周りの人より優位でありたいという気持ちが「自慢」という表現として現れます。

ここで皆さんに聞きますが、自慢する人は好きですか?
自慢する人に魅力を感じますか?

つまり、自己重要感の低い人は、人を裁き、その人より優位性を保ちたいが為、第三者や相手に自慢をしてしまいます。

自己重要感の高い人は心に余裕があります。
劣等感をもっている自慢する人をティーアップしてあげる余裕があります。

その逆、劣等感が根底にあり認められたい人(自慢する人)は、認めて認めて認めてもらいたいのです。
相手の話さえを聞こうとせず、自分の話をとにかく相手に認めてもらいたいのです。

話し上手は聞き上手というのも、この部分を言っているのだと思います。

3.自己重要感の低い人が抗ってきた時の対処法

ここは、ある意味目からウロコでした。

前述したように、認めて欲しいから認めてあげたり、相手を持ち上げる(ティーアップ)する方法は知っていました。

しかし、この本では相手はイヤ~なことを言ってきたら、心の中で「自分は優れた人間である」と3回唱えよ!とあります。

そうするとイヤ~なことを言ってきた相手に対し自己重要感は充足され、何にも気にならずそれどころか相手を高い位置から見降ろせ、その自慢やけなしがその人の心の苦しみの表現であることを理解さえできるということです。

※「我が見識は空よりも高く、我が度量は海よりも広し」 無能唱元

この部分を知っただけで、この高価な本の価値は充分にありました。

4.幸せであること 陽気であること

過去が辛かったから未来も辛いのではなく、幸福とは今その瞬間を「幸福」だと思えと唱えてます。

そしてまず自分を愛せ、そして愛がわかると他人を愛せるとも言ってます。
自己重要感が高く、自分に余裕がないと人に愛を与えることはできない。
この余裕は物心ともに大切だといってます。

さらに真面目でコツコツやる暗い人よりも、自分の人生を楽しんでいるような陽気で明るい人が人を惹きつけるとも言われてます。

5.人蕩し術の落とし穴

「魅(み)は、与(よ)によって生じ、求(ぐ)によって滅す」という極意ですが、この魅力も効かなくなる場合があるそうです。

それが「甘え」と「傲り(おごり)」だそうです。

この人蕩し術には、歴史上の豊臣秀吉と本田宗一郎について述べられています。
詳しくは割愛しますが、この2人こそが人蕩し術の極意を実践し、数々の功績を残していました。

しなしながら、晩年の秀吉は、この甘えと傲りにより下がり目の人生を送るようになります。

○秀吉の甘え・・・淀君と息子秀頼への寵愛 ⇒養子秀次と千利休の自害

○秀吉の傲り・・・天下統一  ⇒朝鮮出兵による負け戦

歴史が証明しているようですね。

6.心が現実をつくる

最近の本で「神様とのおしゃべり」さとうみつろう著 もそうですが不思議なモノでここ最近触れるものはこの「心が先、現実が後」を言っている書物を無意識に手にします。

この人蕩し術でも無能唱元氏は言ってます

「楽は苦の種、苦は楽の種」あれは嘘だ
正しくは「楽は楽の種 苦は苦の種だ」と言われてます。

つまり人は苦しい時、自分が現実の現象に振り回され、その翻弄された状態で未来を描き出すのはほとんどが凡人だと。

しかし
バラ色の種からはバラ色の世界が生まれ
灰色の種からは、灰色の世界が生まれる。

種は「因」、世界は「果」これを因果という不変の真理と説いてます。

自分自身、まだまだこの「心が先、現実が後」はわかっているようで実践できない時もありますが、明るく前向きに解釈し、たった一度の人生を楽しむことが大切であることをまた一冊の本から学ぶことができました。



今週の一冊「パンダ先生の心理学図鑑」 

今回の本は、220ページながら、結構読むのに時間がかかりました。
難しいという訳でなく、むしろイラストや図などふんだんに使ってありわかりやすかったです。

では、220ページを読み終わるのに5日間もかかったのか?と言えば、熟読したからです。

心理学は面白く、そして深い

大学で学ばなくても、難しい活字を追わなくても、この本一冊を熟読すれば、目に見える人の行動、言動が手に取るようにわかってくるようです。

あまりにも多岐にわたる内容だったので、記憶に残った、そして日頃は無意識にとってしまう行動などを5つの心理学のカテゴリーからお伝えします。

1.社会心理学

日本人の判官びいきと言う言葉は、「アンダードック効果」といい負けた側に感情移入してしまうことを言います。

さらに、私が水泳コーチ時代に大先輩がよく言っていた「ピグマリオン効果」その意味もわかり、そう思えばそうなるの典型だと言えます。

また直接褒めるよりは、間接的に人づてに褒める方法を「ウィンザー効果」といいといい、これは小説のウィンザー伯爵夫人の人は第三者から褒められると効果があるというのが由来です。

2.性格心理学

他人のことも、そして自分のこともわかっているようでわかってないのを心理学というロジックでわかりやすく伝えている章です。

「投影法」は、自分の性格や自身のミッション(使命)などを深堀しながら探る方法で、「私は〇○です」を思い当たるだけ書き出すことで、見えなかった自分が見えてくるという方法です。

また「自尊感情」については、謙遜を美徳とする日本人は、自己評価を控え目にしてしまう傾向にあり、自分が価値がある人間か?どうか?についての問いにはアメリカ人89%、中国人96%、日本人38%というデータがあります。
理想は60%はだそうですが、日本人はもっと自分に価値を感じて生きていくべきでしょうね。

さらに偽薬効果のフラシーボ効果や話を突然切り上げると予想外の展開にその話の内容や続きが記憶に深く沈着するツァイガルニック効果。

そして私も子供の頃に経験がありますが、テスト前に勉強してても自信がないことから周囲に「昨日、まったくべんきょうしてないょ~・・」という現象はセルフハンディキャッピングと呼ぶようです。

3.認知心理学

代表的で言葉は聞いたことがあるのが「メラビアンの法則」
これは見た目が大切という訳で、例えば講和者の話の内容は7%しか印象に残っておらず、話し方が38%、見た目が55%という割合で記憶に残るということです。

さらに、黄金比1:1.6 例えばクレジットカードの縦横比がこれに当たるそうですが、日本では白銀比と言って1:1.4でコピー用紙などがこれに当たります。

その他、最近では禁止されているサブリミナル(残像現象)効果やゴール前に辛かったことや感動がその全体のレースを印象付けるピークエンドの法則などがありました。

4.恋愛心理学

一番軽く読み飛ばした章でしたが、一番記憶に残ったパートでした。
つまり、それなりに経験してきたことだったからだと思います。

・吊り橋効果 ⇒ つり橋のように不安を感じる状態で告白すると成功率が高い

・ザイアンス効果 ⇒ 会えば会うだけ親近感が高まる

・ロミオとジュリエット効果 ⇒ 恋愛に障害があればあるだけ感情が高まる

・ゲレンデマジック⇒ スキー場で男性はかっこよく、女性はかわいく見える 

・暗闇効果 ⇒ 暗いところに男女がいると距離感がグゥーと縮まる

そしてご存知のミラーリング効果など、軽く読み飛ばした割にはしっかりと頭に入った章でした。

5.経済心理学

この章はマーケティングにも使えるし即、試したくなるような内容でした。

「端数効果」はご存知のように、2,000円よりは、1,980円の方は安く見えるということですが、海外は1,990であって、日本では8の末広がりでイチキュッパとここでも国の違いが表れています。

紙幣効果は、1,000円札や一万円札はくずすのに特に女性は抵抗感があるという、今度は男女の違い。

そして松竹梅の値段設定では真ん中を選ぶというこれまた代表的な事や10万円では高い思いながらも、5千円の20回での分割なら抵抗感がなくなるというマグニチュード効果などがありました。

6.その他(色彩・犯罪・発達心理学)

長くなってきましたので、手短に一例を紹介します

「色彩心理学」・・・黒の塊100グラムと白の塊187グラムが同じ重さに見えるという黒は重厚感があり金庫の色にも使われている(白い金庫はない)。

「犯罪心理学」・・・代表的なのがニューヨークの地下鉄のブロークンウィンドウで車内の落書きや壊れた窓を修繕したら犯罪が減ったというジュリアーニ市長の功績。

「発達心理学」・・・大人になりたくない、いつまでも子供のままでいたいといピーターパンシンドロームがこれにあたります。

私自身、今までどうしても読む本が、心理学系の本になりがちですが特に意識している訳ではありません。

これからAIが発達していけば、ますます人の言動には理由があるという心理学が注目されるのでしょうが、いつの日かこの心理学をもインプットされたAIが登場するかもでしょうが、できれば明るい未来を想像したいですね。

なぜなら、想像力こそが人間に与えられた最大の武器ですからね!


今週の一冊「かみさまとのおしゃべり」

社会を変える為には、一人一人の意識改革が必要という著者のさとうみつろうさんの一大ベストセラーです。

見えない世界というか、意識の世界を神様とそして、うだつのあがらないサラリーマンさとうみつろうとの会話で自分の中に刷り込まれたことを少しずつ学んでいくタッチで描かれています。

580ページを越えるボリュームある本は、お金や人間関係などにも触れていますが、全体を通して言っていることは「あなたに刷り込まれた常識は、誰かの非常識」ということで潜在意識と顕在意識について多くふれていたように思いました。

1.あなたの中の固定観念を疑え

そもそも観念とは、自らが「こうあるべきだ」と頭の中で思い続けていることで、わかりやすく言えば「○○○べき」と表現されるものです。

また、この固定観念と逆なことや想定外の事がおこると、人は往々にして「意外だ」と思ったり言葉に発して感情が沸きます・
もちろん、思い通りでも嬉しかったり、悲しかったりといろいろですが大切なのは、見て感じたモノと自分の中で沸いてくる感情を分離せよ!ということです。

つまり、自分はついてない・・・と思えば、目の前にはついてないことばかりが投影され、ついている、運がイイと思えばその逆、嬉しいことが映し出される。
ほとんどの人が、目の前に見えることから感情が発生しているが、ほんとうはその逆、思っていることをうつし鏡のように見えるのが現実とのことでした。

つまり○○べきだ、という固定観念があるから、その固定された観念にそぐわないことがあれば、怒りや驚きなどの感情が沸きやすいのです。

一例を上げれば、「家事は妻がするものだ」という固定観念があれば、夕食ができてなかったり、掃除洗濯がされてなかったりすると「仕事もしていな専業主婦なのに何やってんだ!」と怒りの感情が沸くというわけです。

2.ないものねだりの「○○したい」が目の前にないモノばかりを映し出す

例えば「お金持ちになりたい」と思えば、言葉を深堀すればわかりますが、お金がない(という現実)があるから、お金が欲しいとなります。

つまり、お金持ちになりたい=お金がない ➡お金がないという現実が目の前に映し出されるというわけです。
頭は思っていることは絶えず探そう探そうとしているわけでお金持ちになりたい=お金がないとう状況ばかり探そし、幸せな恵まれた状況が現実にあってもお金がない不幸な状況しか視覚から入ってこないのでお金が欲しい、お金持ちになりたいということになります。

3.必要のない人なんて、この世の中にいない

ビックバンの説明から入って、そもそも宇宙ができた時にある粒子が大切なものがないことに気づいたとのことでした。

その粒子は宇宙をくまなく周り、そのないモノを聞いて回りましたが、最後に9,999番目の物質に聞きてみますが違った・・・

宇宙のすべての物質に聞いて回ってもその物質はなかった

何故なら、その探していた物質とは探し回っていた自分自身だったからであると。

前回のアドラー心理学の「嫌われる勇気」にもありましたが、共同体感覚つまり、それぞれの人がそれぞれの役割を果たして社会が成り立つと似ています。

組織にも地域にも社会にも必要のない人なんていないということですね。

4 まとめ

通して読んでみると「思うが先、現実があと」「感謝の気持ちを忘れずに」
「人は誰でも幸せ(幸せになれるではない)である」が著者が伝えたいことのように感じました。

神社へのお参り方法なども書かれており、そもそもお供え物は困っている人が持って帰っても良かったのが始まりであったりとお金の話も含めると多岐にわたる内容でした。

また、半年後に読んでみたい本でもあります。


今週の一冊「嫌われる勇気(アドラー心理学)」より

先々週から、一週間に3冊を自身に課せて読書をしてます。

読書習慣がない自分にとっては、最初は苦痛で今でも少し抵抗はありましたが、なんとかクリアできるようになってきました。

ただ読んでいるだけでなくインプットそしてアウトプットということで、そして又読書の秋でもあります。

一週間で読んだ3冊の本の中より印象に残った1冊のご紹介と所感をお伝えさせて頂きます。

1.注目される心理学のトラウマを否定し、原因論から目的論を唱えてます

心理学の三大巨頭といわれるその一人「アルフレッド・アドラー」
その教えを哲人と青年の会話で内容を説いていってます。

青年が哲人の話に異論を唱えると、それをアドラーの教えで諭(さと)していくという流れです。

ミリオンベストセラーなので、今さらながらその詳細を語るまでもありませんが、読んでいてまず衝撃だったのが「過去があって現在があるという原因論でなく、未来にこうありたいという気持ちがあるから、今の自分の言動がある」と言ってます。

うぅ・・・ 何のこと??となってしまいます。
心理学は難しい・・・となってしまいますが、この本の面白いところは哲人と青年の問答で進められていることです。

青年は「いじめにあった引きこもりの少女」を例をあげます。
それは、過去にいじめられたので学校や外にでれば、またいじめられるという過去の経験がトラウマとなって外出できないのだ、だから過去が現在に影響をおよぼすのだと。

しかし哲人は全く違った解釈を伝えます。
それは外出しないで家にこもっていれば、親や学校の先生は心配をしてくれるが、いったん家の外の出てしまえば誰も自分のことを心配、つまり注目してくれなくなる状況(未来)があるので、だからその少女は引きこもっているのだと青年に伝えます。

つまり未来があっての現在の言動があるというのが目的論となります。

2.すべての人間の悩みは対人関係にある

なるほど!とわかるような気がします。

が、これをアドラー心理学では「課題の分離」「承認要求」と言ってます
それがどういうことか?をまた青年と哲人の会話で始まります。

青年は言います。
「自分はいい学校に入りたい」と。

しかし哲人は「それは何故か?」を問います。

青年は「いい学校に入って親を安心させたい」と
何故なら、小さい頃から親に「いい大学に行って、いい仕事に就きなさい」といわれてきたのでと答えてます。

ここで、勉強するのは子供(青年)自身の問題(課題)ですが、その勉強するという課題に親が「勉強しなさい」と介入していることがそもそもの問題だと哲人は言います。

勉強しなくても困るのは本人(青年)自身であり、親はそのことで困らない。
さらに青年は、いい学校に入り親を安心させたいということは、親の期待に応え「自分は頑張った」そして親に「よくやったね」と承認してもらいたい承認要求の為に勉強をする。

つまり親の為に勉強する時点で、自分の人生ではなく他人の人生を歩んでいるのだと青年に説きます。

このような他人の人生を生きるような生き方をしている人が、自分の思うような生き方ができずに悩むということで自分と他人との課題をきちん分けれないことに問題が発生し、双方がそれぞれの課題に介入し無いよう伝えてます。

3.人生における幸福とは他者貢献であり、共同体感覚である

先ほどの承認要求と似て似ざるものかもしれませんが、人は他人の役に立った時自分の存在価値を感じ、幸福感を持てるといってます。

勉強して親の期待に応えることと似てるようですが、いい大学に入ることでは、他人を幸せにすることはできません。

それよりは、大学に入って最高府の学びを得て、それを自身の組織や地域、もっと言えば家族や自分自身に還元し、喜んでもらうことで幸せを感じることができるということです。

承認は認められたい 貢献は信頼の上に成り立つと哲人は青年に説いていますが、大分長くなってきたので割愛いたします。

そして課題の分離からスタートして、人はすべて横の関係の「共同体感覚」が大事といってますが、ここは私、吉本なりの解釈でいうとチャップリンのモダンタイムを思い出しました次第です。

つまりあの映画は、文明社会において個人の尊厳が失われ、機械の一部の歯車となってしまうネガティブを喜劇で表現してました。

しかし、この嫌われる勇気(アドラー心理学)では、その歯車になりなさい。
その歯車が一つでも欠ければ、機械(=世の中)は動かないという解釈です。

見方を変えるだけで自分の立ち位置や存在理由が見えてくることを教えてくれました。

もっとお伝えしたことも書かれていましたが、印象に残ったところをピックアップしてお伝えさせて頂きました。

また、来週に新しく読んだ一冊をご紹介したいと思います。