12月1日、ことしもいよいよカウントダウンです。
年末にかけ、慌ただしくなる月ですが、本日は、お客さんを連れて岩国の水を2種類程、試飲してきましたので、その事をお伝えさせて頂きます。
1.錦川の伏流水を使った漬物工房「うまもん」
創業300年、造り醤油から漬物へと変化をとげた、お漬物で有名な「うまもん」さん。
社長と懇意にさせて頂いていることもあり、大事なお客んさんは、ここへ必ず案内させて頂きます。
工房兼建物は、現存する江戸時代からの庄屋さん家を使用し、屋内には目に見えない酵母や生きた菌が、絶品な味に仕上げます。
手間ひま惜しまず、3度漬けや4度漬けなどすべて手作業で行われてますが、この工程で欠かせないのが、無消毒の水
漬物にはカルキの入った水は使用できなので、錦川の伏流水を7本の井戸より使用します。
もちろん、直売所のすぐそばに漬物の試食もできますが、天然水の試飲もできます。
軟水でとてもやわらかい
一杯ぐらいでは満足できないので、ついつい2杯、3杯といってしまいます。
300年の長きにわたり、ずっと錦川の伏流水を使っているそうですが、一度も枯れた事がないということです。
2.銘酒の仕込み水 旭酒造・獺祭
日本酒ファンや日本酒に興味がなくても聞いたことがある「獺祭(だっさい)」
お酒は飲んだことがある方でも、その仕込み水を飲まれた方は少ないでしょう。
私自身も、今回初めて飲ませて頂きましたが、こちらもまたやわらかい。
もともと、お酒造りには硬水(ミネラル分が豊富)が使われてました。
しかし、軟水でゆっくりとじっくりと造るやり方、いわゆる軟水仕込みも進め、広島の西条でこの製法が確立されたと聞いています。
軟水の方が、醗酵の栄養となるミネラル分が少ないだけ、酒造りは難しいと言われてます。
そして獺祭のあの芳醇な香りは、柔らかい仕込み水と山田錦をしっかり磨いたコメの良さとがうまくマッチングして醸し出される、いわゆる酔うためのお酒ではなく味わうためのお酒と言えるでしょう。
今回は、岩国南部地域、言ってしまえば錦川の下流域と岩国市の西部に当たる朝日酒造さん、水系は違えども2つの軟水を飲んでみて、漬物やお酒に水は大事な役割を果たしていることを実感できました。
いつもながら、我々上流域に住む者として、貴重な資源の水を大切に守り続けることを改めて実感することができました。