宿泊施設の廃業に思う、これからの在り方

観光業がこの度の新型コロナで大きな打撃を受けている事は今さらお話するまでもありません。

山口県内でも、知る限りでは既に3件の廃業が確認できます。

4月 6日 萩グランドホテル天空
4月30日 秋芳ロイヤルホテル秋芳館
5月 1日 湯田温泉 プラザホテル寿

詳しくはわからないので、ここでは割愛させて頂きますが、同業者の廃業(営業を打ち切りにした理由は様々ですので、倒産ではなく廃業と表現させて頂きます。)から何を学び何を変えて行くのかをお伝えさせて下さい。

1.観光旅館の規模の大きさ


萩グランドホテル天空 183室  負債総額 18億
秋芳ロイヤルホテル   42室  負債総額 2億3千万
プラザホテル寿     65室  負債総額 3億

いずれにしても中規模以上であり、宿泊施設は部屋数に比例し人員の配置も増えます。

売上がなくなっても、人件費や固定費は確実に支出として出て行きます。

つまり継続か打ち切りかの判断となるわけです。

これが小規模で家族経営なら持ちこたえられたと思います。

しかしながら3施設の経営者は自分が我慢しても済まない状況の中、ほんと苦渋の選択だったと思います。

ここから見えてくるのは、変化に対応できる規模感が大事になってきます。

2.時代の変化

1980年代は大型観光ホテルで飲めや歌えやの一泊豪遊スタイルでした。


2000年に入ったあたりから個人客重視のしっぽり系の宿やオーナーシェフのいるオーベルジュスタイルがちらほら出始めた頃でした。

そして近年は体験型の宿泊スタイルとインバウンド需要があったわけです。

さて上記3施設はどうだったのでしょうか?
察するに観光へのウエイトは高かったと思われます。

では、これからの旅行スタイルはどうなるのでしょうか?

インフルエンザ・ワクチンのようなものが新型コロナウイルスに対し開発されない限り、発症→自粛→緩和→発症といった状況は続くはずです。

となると観光需要は不透明で、観光依存からの脱却を視野にいれた新たな需要に対する在り方が問われます。

3.観光需要の悪化とともに心配な後継者問題や志願者の激減

今回のこの3施設に従事していた従業員数は合わせて83名です。

この83名の方が新たな職についていることを案じるばかりですが、それ以上に懸念するのは既存の宿泊施設の後継者問題と志願者数の激減です。

今回のコロナ問題で浮き彫りとなった観光産業の状況をみて、経営者は敢えて自分の苦労、いや苦しみを次の世代に引き継がそうとはなかなか思わないでしょう。

またこのような状況下にある飲食・宿泊業を志ざす若い世代は今後はいるのでしょうか。

悲観的な事かもしれませんが、今宿泊業界を志望することは火中のクリを拾うようなものです。

同業者や頑張っている方に対し失礼な事を言っているのは承知な上です。
しかし我々は、今持ちこたえて将来につながなければいけない使命を背負っていることは事実なのです。

何故なら、宿泊とは非日常を体感できる空間であり、地域の交流や地元の文化に触れる場でもあり、そして何よりも大切な思い出をつくる場所だからです。

自分の思い出の場所が無くなるのは、とても寂しく辛いものではないでしょうか。

今は不急・不要でも長い目で見れば必要のない宿泊施設などは無く、上記の3施設も含め日本全国のどの宿も思い出がたくさん詰まった施設なのです。

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