いよいよ明日、ラグビー日本代表がベスト4をかけ南アフリカとの対戦となります。
フィジカルが重視されるスポーツにおいて、体格差で厳しい日本人がホントよく戦っていると思います。
ラグビーに限らず、先の男子バレーや体操など種目を問わず世界と対等に戦えるようになったことに日本のスポーツ界の進歩を見るわけです。
本日は強くなった日本のメンタル部分、いわゆるイメージトレーニングについてお伝えさせて頂きます。

目次
1.そもそも日本人のメンタルとは?
よく言われるのが農耕民族であり、狩猟民族の欧米とは違うということや、「和」と大切とする文化性などから、勝負への執着やここ一発の爆発力などは、欧米の特に主食を肉としている人種には劣ると思われてました。
しかし、日本人は戦争中に国の為といって自らの命を捨て特攻する精神など、教育があったといえども欧米人にはない思想もあります。
つまり、一般的には勝負事では欧米に劣るように考えらえがちですが、もっているポテンシャルは高いとも言えます。
2.スポーツおけるイメージトレーニングの推移
記憶にあるところでは、半世紀前の東京オリンピック時、マラソン日本代表の円谷選手のように国の為、期待を背負い過ぎて命を絶ったり、またその背負い過ぎるモノの大きさに本番で力を出し切れないケースがよく見られました。
それから1990年代に入り、よく耳にした選手の言葉が「楽しんできます」
これには当時、賛否両論ありましたが、それでもまだまだプレッシャーに負ける選手もいて、この時点でのイメージトレーニングはきちんと確立できてなかったように思われます。
そして近年になり、フィギュアスケートの羽生選手に代表される「勝利の瞬間のイメージ」や4年前のラグビー五郎丸選手の「ルーティン」など、ここ数年で日本人選手のイメージトレーニングはかなり確立されてきたと言えます。
3.イメージトレーニングの理屈
梅干しやレモンを想像すれば、唾液が分泌される この理屈と同じです。
頭でイメージしたことに身体が無条件に反射するよう、またそのイメージに従ってカラダがスムーズに動くようにするためのいわゆる脳トレーニングです。
4.1990年代のイメージトレーニングでは、何故勝てなかったのか
思うに試合のプレッシャーから逃れる為に、あえて表向きに「楽しもう」と言っていたからです。
羽生選手のように、飛行機の中でイメージトレーニングをしただけで感極まって涙が溢れてくるような感情移入が足らなかったからです。
羽生選手は言っています「国民の皆さんが、自分の金メダルを心から祝福してくれるシーンがイメージでき、同時に涙が溢れてきた」と。
試合のプレーシャーと引き換えに楽しもうという言葉を使った1990年代と違い、大切なのは心からそう思うことなのです。
無理して、やせ我慢して楽しむよりも、心から楽しもうという気持ちが根底には必要だと思います。

5.勝つためのメンタルと平常心を保つためのメンタル
勝つためには心から勝ちたいという感情移入が必要なわけです。
そしてもう一方では、平常心を保つためのメンタルトレーニングもあります。
スポーツで言えば、ゴルフなどがわかりやすいのですが、想定外の事が起こった場合に平常心を保つということが困難になりスコア―が乱れてきます。
勝つための感情移入と違って、失敗してはいけないという気持ちがプレッシャーとなりカラダの動きを委縮させたりと本来のパフォーマンスが発揮できない状態となる訳です。
これに対処するには、予め最悪の状況を想定(イメージ)しておくことが大事となります。
その最悪の状況に陥った時が想定内である時と想定外である時では、直後のパフォーマンスには大きな違いが生じてきます。
予め想定外の選択肢ももっていれば、大きく乱れることは防げるはずです。
今回は、スポーツシーンからのお話でしたが、これは家庭や職場、地域においても同じように使えることだと考えられます。
「心からそう思う」ということと「最悪の状況も想定しておく」
この2つのイメージトレーニングが生き方にも幅を持たせてくれる、そんなように感じます。