2020年の東京オリンピックを控え、訪日外国人の方が増えることが予測されます。
文化の違いが風習の違いとなり、なかなか越えられない言葉以上の壁もあるようです。
そして代表的なのが、温泉地でタトゥーや入れ墨をした方の入浴をどうするか?なのです。
圧倒的に禁止している温泉地や温浴施設が多い現状の中、当館ではどのようになっているのか?をお伝えさせて頂きます。
目次
1.錦パレスは、刺青(いれずみ)やタトゥーをしている場合でもお断りは致しません。
例えば、寒い中せっかく温泉に来て「さぁ~温まろう!」と思って玄関の前に立つと「当館は刺青やタトゥーの入った方のご入館をお断りしています」との表示があったとします。
片道1時間以上もかけて温泉に来ても、入れず仕舞いで帰るとしたら、何の為にわざわざ時間をかけて来たのか?ということになります。
最近はファッションで入れている方もいるので、刺青=暴力団と胆略的に結び付ける訳には行きません。

2.刺青やタトゥーが入っていても誰もが温泉に入りたいのです。
私も前職時代、プール監視をやっていた時によくこの問題にでくわしました。
露出しないようにテーピングやラッシュガードを着用してプール利用をしてもらう訳ですが、その都度「こんな面倒なことになるのだから、タトゥーなんてしなければいいのに」と思ったものです。
しかしながら、あれから20年以上も経つと自分の考え方も変わりました。
『過去と他人は変えられない』
どういう理由で刺青やタトゥーをされたのか?よりも温泉に入りたいという思いを優先したいのです。
わざわざ遠くから、そうづ峡温泉に入りたいという方を外見だけで判断するのは如何なものか?
逆に刺青やタトゥーをしてない反社会的勢力の方は入浴は問題ないのか?
我々が優先すべきことは、温泉に入りたいという人を気持ちよく受け入れることだと思います。
3.大切なのは「受け入れる」ことと「信じること」
刺青やタトゥーは昭和の任侠映画の影響により、反社会的勢力やヤクザのイメージがそもそもの先入観として刷り込まれています。
確かに、刺青・タトゥーの方歓迎などという表示は見たこともありませんし、実際にその筋の方の利用が増え一般の人の利用が激減し閉店に至った温浴施設も知っています。
なので我々も「お断りはしてません」という表現になってしまいます。
しかし、外見で人を判断しお断りするのでなく、その方の目的をしっかりと受け入れることが大事だと考えます。
信成万事(しんせいばんじ)という言葉の中に、下記のような一文があります。
『悪人を善人にするただ一つの道は、信ずるにある。悪人だから信じられないというのが常識であるが、悪人だから信じる。
信じるから悪をしないのである。』
悪人とは言い過ぎかもしれませんが、人を見かけで判断すれば、その思いは声のトーンや雰囲気で伝わっていき、こちらの疑いの気持ちは言葉に出さずとも伝わってしまうので、気持ちよく温泉に入ることはできないでしょう。

4.ほとんどの方が問合せをされます
全ての方とは言い難いのですが、ほとんどの方が電話で問合せをされます。
なので、こちらとしては利用されるお客さんが少ない時間帯をご案内をしています。
もし刺青やタトゥーされている方は、電話でお問合せ下されば空いている時間帯や曜日などをご案内させて頂きます。
この寒い時期、一人でも多くの方に温まってもらい、温泉の良さをこの時期だからこそ体感して頂きたいと思っております。