去る12月2日(月)に、錦帯橋を眼下に見下ろす岩国国際観光ホテルで、倫理法人会の特別ナイトセミナーが開かれました。
講和者は年間150講演もこなす荒木信広氏
彼の異色の経歴は暴力団の父の元でヒットマンとなるべく、その筋の英才教育を受け、同時に仏の道も教わり育ったという複雑な少年期を過ごされます。
そして成人するに従い、闇と光の相反する2つの世界に苦しみながら、自暴自棄に陥り、迷い彷徨いながらもようやく自身の使命を見つける・・・という、ハッピーエンドでなく子供たちを日々闇の世界から守り続ける 現在進行形の 生き様を熱いエネルギーを持って語って頂きました。

目次
1.幼少期の相反する2つの教えとそして・・・
闇と光、父親からのヒットマンとしての英才教育と仏の教え
この相反するものに、のちのち荒木氏は苦しまれます。
表と裏 清と濁、光と闇、始まりと終わり
確かに世の中、万物は相反するモノでできていますが、本人が幼少期に受けたものは、子供としてはあまりにも大きすぎるモノでした。
本人を教育する顔ぶれと言えば、総会屋の親分や詐欺師、暴力団の幹部とその筋の人間達
その一方で母親、さらに学校の先生からの愛を感じ受け取りながら、幼い荒木氏には、大きすぎる闇と光はコントロール不能のものとなります。
相反する2つのモノとそして、後の本人のベースとなるモノが実は、この時期に父親から授かっていたわけです。
それは
「本気」
トイレ掃除もしかり 土地をならすのも又同じ
本気でやらないと、父親に叩きのめされる
この時に培われた「本気」こそが今の荒木氏の熱量となっている訳です。
迷いながらも本気で生きていた、いや生きざるを得なかったのだと講演を聞きながら感じました。
2.闇と光の葛藤の中で
大きすぎる相反する2つの教え、そしてそこから生じる考え方に絶えず自問自答しながら、しかしいつしか闇の世界へ歩を進めるようになります。
少年院の入退院を繰り返し、刑務所も同様
安心は危険と説く父の教えに、出所してもまた闇の世界へ・・・
2つの大きすぎる闇と光の葛藤は、自分では抑えきれない苦しさを引き起こします。
うつ病を発症させ、ついには自殺未遂まで
何度も生死の間をさまよい続け、ようやく光を見つけられます
それは、水道の設備工事の仕事です
働くことに生きる道(光)を見つけられた本人は一心不乱に働き続けます。
3.心理カウンセリングに出会い、平成版スクールウォーズを実現
愛とは何か?その答えは無限にあり、すべてが正解であると言い切る荒木氏
働くという光を見つけ、そして今度は自分と同じように苦しむ子供たちの為に心理カウンセリングに出会います。
働くことと学ぶこと
この心理カウンセリングを身につければ、自分と同じように苦しむ多くの子供たちを救えると悟ったもののの学ぶにあたり先立つお金がありません。
しかし、この経済的な苦しさを救ってくれたのは、母親でした。
自分の大切な持ち物を質に入れ、お金を工面してくれたのです。
お金をもらいながら、受け取ったものは母親の愛
この受けとめきれない愛を今度は荒木氏は苦しむ子供たちの為に注ぎ始めます。
本気で生きることを教えてくれた父親、そして限りない愛で見守り続けてくれた母親
この大きすぎる2つのモノ両親から授かり持ち続けながら、いつしか荒木氏は、恩師の依頼で教育委員会へ入ります。
普通は手に負えない学校、それは校門で酒盛りをしたり、授業中にラジコンのヘリを教室内で飛ばしたり考えられないようなことは、すべて屈折した愛情表現と言い切り更生に乗り出す荒木氏。
不良中学こそ愛情サインがいっぱい出ていると水を得た魚の如く、どんどん更生させていきます。
本気で関わり、子供たちからの愛情を感じとり、そして与え続ける荒木氏によって立ち直らない学校はありませんでした。

4.自殺の一歩手前の少女を前に
本気で生きる荒木氏に立ち直らせない学校はありません。
しかし、そんな本人に一本の電話が入ります。
「○○さんが居ない・・・」「探して、すぐ探して欲しい」少女の仲間からの電話です。
必死に探す荒木氏
そしてようやく見つけた時は、すでに刃物を胸に刺し血が滴る状態
荒木氏を目にし、泣きじゃくる少女
この時感じたそうです
「自分の本気度が足りない・・・」
5.本気で生きることとは
本気で生きてきながらも、危うく一人の少女の命を失いかけた一件から、さらに本人の本気度は増していきます。
使命という言葉があります
読んで字のごとく「命を使う」
今の荒木氏は、闇の世界で彷徨する子供たちを光の世界に導くことを使命とし、NPO法人:心の居場所をさらに発展させ新たなステージに進まれてます。
それは自身の学んだ心理学と比類稀な経験、そして命を差し出すことも惜しまない本気度を融合させ、苦難を抱える人々が大転換のキッカケとなるよう「株式会社NOVサイコロジーサポート」を設立され活動されてます。
2次会で荒木氏と会食をしましたが、講演の時とは違ったもの静かさがあり、でも気遣いは忘れない姿勢も垣間見ることができました。
本気ということは、何なのか?を深く感じさせてくれた荒木氏
彼の半生は、近く映画化されます。
またその時には、このブログでお知らせさせて頂きますが同時にその時、自身が本気で生きているか?どうか?も映像を見ながら自問自答してみたいと思ってます。