今週の一冊「人蕩し術」  無能唱元

今週の一冊、感銘を受けた書籍は無能唱元(むのうしょうげん)氏の書かれた人蕩し術(ひとたらしじゅつ)です。

この人蕩(たら)しには、蕩(くず)湯をイメージして頂ければわかりますが、人を蕩(とろ)けさす、つまり魅力で魅了する為の術、人を引き付ける為の極意が400ページ近くに渡って書かれてあります。

それなりの値段のする本ですが、値段にあった価値は充分にある書籍でした。

1.魅(み)は、与(よ)によって生じ、求(ぐ)によって滅す

著者によれば、これが極意であり、この極意の為には5つの本能的衝動があり、この5つを与えることで人を魅了できるということでした。

①飢えへの怖れからくる「生存本能」

②孤独を怖れ、人と交わる集団でいたい「群居衝動」

③自分は劣っているという怖れに関わる「自己重要感」

④もてないことへの怖れからくる「性欲」

⑤知らないことへの怖れからくる「好奇心」

つまり、これらの5つの本能的衝動を相手に与えることによって、魅力は発揮されます。
しかしながら、これら5つを相手に求めると、自分自身の魅力は無くなると説いています。

また、①の生存本能を満たすために食料や金銭を与えることで、その見返りが魅力となる場合がありますが、②~⑤までは、すべて無形のものとなります。

本の後半で述べてますが、①~③までは、相手に与え、④~⑤は与えると逆に滅すとも書かれてます。

つまり男性ならわかりますが、例えば女性の胸元などが見えるか見えないかが引き付けるのであり、全部見せてしまえばそれで興味が終わりということです。

⑤の好奇心もしかり、知ってしまえばそれで終わってしまうので、相手を惹きつけ続けることも、また大事と書かれてました。

2.自己重要感を高めるには

まず、自己重要感が低い場合は、その根底には劣等感があります。

もっと言えば、自分が劣っているとは認めたくないので、常に人より周りの人より優位でありたいという気持ちが「自慢」という表現として現れます。

ここで皆さんに聞きますが、自慢する人は好きですか?
自慢する人に魅力を感じますか?

つまり、自己重要感の低い人は、人を裁き、その人より優位性を保ちたいが為、第三者や相手に自慢をしてしまいます。

自己重要感の高い人は心に余裕があります。
劣等感をもっている自慢する人をティーアップしてあげる余裕があります。

その逆、劣等感が根底にあり認められたい人(自慢する人)は、認めて認めて認めてもらいたいのです。
相手の話さえを聞こうとせず、自分の話をとにかく相手に認めてもらいたいのです。

話し上手は聞き上手というのも、この部分を言っているのだと思います。

3.自己重要感の低い人が抗ってきた時の対処法

ここは、ある意味目からウロコでした。

前述したように、認めて欲しいから認めてあげたり、相手を持ち上げる(ティーアップ)する方法は知っていました。

しかし、この本では相手はイヤ~なことを言ってきたら、心の中で「自分は優れた人間である」と3回唱えよ!とあります。

そうするとイヤ~なことを言ってきた相手に対し自己重要感は充足され、何にも気にならずそれどころか相手を高い位置から見降ろせ、その自慢やけなしがその人の心の苦しみの表現であることを理解さえできるということです。

※「我が見識は空よりも高く、我が度量は海よりも広し」 無能唱元

この部分を知っただけで、この高価な本の価値は充分にありました。

4.幸せであること 陽気であること

過去が辛かったから未来も辛いのではなく、幸福とは今その瞬間を「幸福」だと思えと唱えてます。

そしてまず自分を愛せ、そして愛がわかると他人を愛せるとも言ってます。
自己重要感が高く、自分に余裕がないと人に愛を与えることはできない。
この余裕は物心ともに大切だといってます。

さらに真面目でコツコツやる暗い人よりも、自分の人生を楽しんでいるような陽気で明るい人が人を惹きつけるとも言われてます。

5.人蕩し術の落とし穴

「魅(み)は、与(よ)によって生じ、求(ぐ)によって滅す」という極意ですが、この魅力も効かなくなる場合があるそうです。

それが「甘え」と「傲り(おごり)」だそうです。

この人蕩し術には、歴史上の豊臣秀吉と本田宗一郎について述べられています。
詳しくは割愛しますが、この2人こそが人蕩し術の極意を実践し、数々の功績を残していました。

しなしながら、晩年の秀吉は、この甘えと傲りにより下がり目の人生を送るようになります。

○秀吉の甘え・・・淀君と息子秀頼への寵愛 ⇒養子秀次と千利休の自害

○秀吉の傲り・・・天下統一  ⇒朝鮮出兵による負け戦

歴史が証明しているようですね。

6.心が現実をつくる

最近の本で「神様とのおしゃべり」さとうみつろう著 もそうですが不思議なモノでここ最近触れるものはこの「心が先、現実が後」を言っている書物を無意識に手にします。

この人蕩し術でも無能唱元氏は言ってます

「楽は苦の種、苦は楽の種」あれは嘘だ
正しくは「楽は楽の種 苦は苦の種だ」と言われてます。

つまり人は苦しい時、自分が現実の現象に振り回され、その翻弄された状態で未来を描き出すのはほとんどが凡人だと。

しかし
バラ色の種からはバラ色の世界が生まれ
灰色の種からは、灰色の世界が生まれる。

種は「因」、世界は「果」これを因果という不変の真理と説いてます。

自分自身、まだまだこの「心が先、現実が後」はわかっているようで実践できない時もありますが、明るく前向きに解釈し、たった一度の人生を楽しむことが大切であることをまた一冊の本から学ぶことができました。


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