本日、新聞記者の方と話す機会があり、温泉についての取材でしたが、話は「新湯治」そして「社長の為の肉体改造プログラム」さらには公的保険外サービスについてなど多岐にわたって話す機会を持てました。
そんな中、興味を持っていただけたのが、宿泊型新保健サービスで今で言えば新湯治がそれに近いものかなぁとおもったのですが、平成27年にスタートした主題のサービスは、メタボ同様全く耳にしなくなりました。
今はどのようになっているのか?
また、今後は需要があるのか?
課題はどうだったのか?
など、少し振り返ってみたいと思います。

1.そもそも宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・スティ)って何?
厚労省が平成27年より、全国23地域で実証実験をおこなったその名のごとく、宿泊しての保健指導です。
保健指導といえば、運動と栄養指導と検診となりますが、国が言うところによれば下記のようになります。
「 糖尿病が疑われる者等を対象として、ホテル、旅館などの宿泊施設や地元観光資源等を 活用して、医師・保健師・管理栄養士・健康運動指導士等の多職種が連携して提供する 新たな保健指導プログラム 」
まぁ、健康にかかわるオールキャストを管理の行き届く宿に集め、保健指導をして結果を出しましょうと言ったところでしょうか?
我々宿泊業に関わる者にとっては、ビジネスチャンスだった訳ですが、私がこの取り組みを知ったのは、平成29年でした。
自分の情報キャッチのアンテナが低かったのか?情報発信が自治体経由の為に民間に伝わらなかったのか?今では全く聞かなくなりました。
2.結果はいかに
今は令和ですが、平成で言えば31年です。
宿泊型新保健指導が始まったのが平成27年、そして結果報告がされたのが平成28年の2月です。
結果報告に目を通すと、「行動変容がなされた」という意見が多く見られます。
なお、プログラム2泊3日に参加後、すぐに実施したいと答えた方は下記の割合です。
食事 44.5%
運動 42.6%
つまり、4割以上の人が、即実施しようという理想的な数値となっていますし、6割の方が大変満足と答えています。
この数値だけみれば、成功と呼べるのですが、何故今全く実施されていないのでしょうか?
3.補助金あるあるの行政から民間にうまく引き継がれない多くの事例の一つ
そう思いたくありませんが、結局実証実験で終わってしまったということはうまくビジネスとして成立しなかったからです。
補助金があるうちは、いろいろできますが、先立つものがなくなれば、収益性が高くないと継続は難しくなります。
昔から、ヘルスツーリズムがなかなかビジネスとして成立しないのは、宿泊スタイルがバカンスのある欧州や1週間~1カ月の滞在が主な海外に比べ、日本は今だ1泊が主流です。
しかも
たまの旅行、カラダに悪いとわかっていても飲めや歌えやの一泊豪遊型の非日常スタイルがほとんどです。
この旅行体質が改善されないと、宿泊型保健指導は根付かないと思いますが、健康づくりに大切な「楽しさ」が欠けていたようにも感じています。
平成27年度に一つの節目を迎え、灯しては消えてしまったような宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・スティ)ですが、平成もおわり新しい時代となった今、当館が提案する新湯治をもう一度ブラッシュアップして、令和の宿泊型新保健指導として商品化させてみます。
